【書評】『スタンフォードの自分を変える教室』〜意志力を根性だと思っていた30代営業マンが、消耗する仕組みを知るまで〜
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九州でルート営業をしている30代です。前々職はスポーツジムのトレーナー、筋トレ歴10年。運転中のAudibleで月2〜3冊。これは要約ではなく、読んで何を変えたかの記録です。
はじめに〜この本を手に取ったきっかけ〜
筋トレは10年続いているのに、他のことが何ひとつ続きません。
早起きも、英語も、家計簿も、始めては消えていきました。同じ人間が、片方は10年続けて、片方は2週間で投げ出す。この差がずっと不思議でした。
もう一つ気になっていたのが、夜の自分です。日中はきちんと判断できているのに、帰宅すると何も考えずに菓子に手が伸びる。意志力というものが、朝と夜で別人のように違うのを感じていました。
自分は意志が弱いのだと片づけるのは簡単です。でもそれだと、筋トレが続いている説明がつかない。この本を手に取ったのは、その矛盾に答えが欲しかったからです。
本の紹介
本の基本情報です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | スタンフォードの自分を変える教室 |
| 著者 | ケリー・マクゴニガル |
| 出版社 | 大和書房 |
| ジャンル | 心理学・自己管理・習慣 |
意志力というものを、心理学の視点から扱い直していく一冊です。どんな実験や結論が出てくるのかは、ぜひ本書で確かめてみてください。この記事では内容の解説ではなく、読んだ私の生活がどう変わったかをお話しします。
私がこの本から受け取った3つのこと
①意志力は、使えば減っていくものだった
これで長年の疑問が解けました。朝と夜で別人なのは当たり前だったのです。
一日のあいだ、判断や我慢を繰り返すたびに消耗していく。ルート営業は判断の連続です。どの順で回るか、どう切り出すか、無理な要求にどう答えるか。夕方に何も考えられなくなるのは、根性が足りないからではありませんでした。
そう考えると、夜に新しい習慣を始めようとしていたこと自体が失敗の原因でした。いちばん残っていない時間帯に、いちばん力のいることをやろうとしていたわけです。
②筋トレが続いた理由も、ここにあった
読みながら腑に落ちたのがこれです。私が筋トレに行くのは休日の朝で、しかも行くかどうかを毎回決めていません。曜日で決まっているので、判断そのものが発生しないのです。
一方、続かなかったものはすべて「時間ができたらやる」形でした。やるかどうかを毎回考える必要があり、そのたびに意志力を使っていた。
前々職でトレーナーをしていた頃、続く人と続かない人の差が生活リズムに出るのは見てきました。それを自分の他の習慣に応用できていなかったのが、いまとなっては不思議です。
③自分を責めることが、逆効果だった
いちばん意外だったのがこれでした。
うまくいかなかった日に自分を責めると、かえって崩れやすくなるという話です。私はまさにこのタイプでした。菓子を食べた自分を責めて、落ち込んで、どうせ今日は駄目だからと開き直ってさらに食べる。
自己肯定感が低い人間ほどこの罠にはまりやすいのだと思います。厳しくすることが正しいと信じていたので、この指摘はかなり効きました。
私はこの本で、夜に自分を責めることがなくなりました。続かない自分に悩んでいる方は、ぜひ手に取ってみてください。
スタンフォードの自分を変える教室 [ ケリー・マクゴニガル ] 価格:1760円 |
読む前と読んだ後で、私はこう変わった
自分の中で起きた変化を、正直にまとめます。
| 読む前の私 | 読んだ後の私 | |
|---|---|---|
| 意志力の捉え方 | 生まれつきの強さだと思っていた | 使えば減る、有限のものだと理解した |
| 新しい習慣を始める時間 | 帰宅後の夜に設定していた | 朝いちばんに動かした |
| やるかどうかの判断 | その日の気分で決めていた | 曜日で決めて、判断をなくした |
| 失敗した日 | 自分を責めて、開き直って崩れた | 責めずに、次の1回に戻るだけにした |
私が実際に変えたこと
①いちばん重い仕事を、朝いちばんに動かした
判断力が残っている時間帯に、いちばん力のいることを置く。それだけの変更です。
具体的には、気の重い取引先への訪問と、面倒な見積もり作業を午前に寄せました。午後に回していた頃は、どちらも先送りされ続けていました。能力の問題ではなく、時間帯の問題だったと分かったのが収穫です。
②「やるかどうか」を考えない仕組みにした
続けたかった読書ノートを、曜日で固定しました。土曜の朝、コーヒーを淹れたら書く。それだけです。
気分で決めていた頃は、書かない理由がいくらでも見つかりました。決めてしまえば、迷う時間がまるごと消える。筋トレで10年やってきたことを、ようやく他にも持ち込めた形です。
③崩れた日に、自分を責めるのをやめた
いちばん難しく、いちばん効いた変更です。
できなかった日に「今日はできなかった」で止める。理由を掘り下げず、自分を責めない。そうすると翌日に戻れるのです。以前は一度崩れると、そこから一週間まるごと消えていました。
まとめ〜こんな人に読んでほしい〜
『スタンフォードの自分を変える教室』は、こんな方におすすめです。
- 何かひとつだけ続いていて、他は続かないという人
- 夜になると判断力が落ちる自覚のある人
- 続かない自分を責めて、さらに崩れた経験のある人
- 意志力を鍛えれば解決すると思っている30代
読んで感じたのは、これは意志を強くする本ではないということでした。むしろ、意志に頼らずに済む形を作るための本です。だから意志が弱いと感じている人ほど、読む価値があると思います。
私はいまも夜は何も考えられません。それでも、そういうものだと分かってからは、そこに大事なことを置かなくなりました。
本は「聴く」こともできます。 机に向かう時間が取れないときほど、移動時間のほうが確実です。
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