【書評】『LIFE SHIFT』〜定年まで同じ会社にいる前提で生きてきた30代営業マンが、その前提を疑うまで〜
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九州でルート営業をしている30代です。前々職はスポーツジムのトレーナー、筋トレ歴10年。運転中のAudibleで月2〜3冊。これは要約ではなく、読んで何を変えたかの記録です。
はじめに〜この本を手に取ったきっかけ〜
自分の20年後を、具体的に考えたことがありませんでした。
いまの会社にいて、係長か課長あたりになって、そのまま定年を迎える。父の世代を、そのまま自分に当てはめていただけです。疑ったこともありませんでした。
きっかけは、営業所の先輩が定年後も再雇用で働き始めたことでした。同じ仕事を、給料が下がった状態で続けている。悪いことだとは思いません。ただ、自分がそこに立っている姿を想像したときに、うまく像を結ばなかった。
その日の帰り道、車の中でずっとそのことを考えていました。この本を手に取ったのは、そのもやもやに形をつけたかったからです。
本の紹介
本の基本情報です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | LIFE SHIFT(ライフ・シフト) 100年時代の人生戦略 |
| 著者 | リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット |
| 出版社 | 東洋経済新報社 |
| ジャンル | キャリア・人生設計・働き方 |
長く生きる時代の働き方を、正面から扱う一冊です。どんな枠組みが示されるのかは、ぜひ本書で確かめてみてください。この記事では内容の解説ではなく、読んだ私が何を考え直したかをお話しします。
私がこの本から受け取った3つのこと
①「教育・仕事・引退」の順番を、疑ったことがなかった
いちばん驚いたのがこれでした。
学校を出て、働いて、引退する。私はこの順番を、自然の摂理くらいに思っていました。でもこれは、寿命がいまより短かった時代に合わせて作られた形だそうです。
言われてみれば、前々職から営業に移ったとき、私は学び直しをほとんどしていません。「もう学ぶ時期は終わった」という感覚が、どこかにあったのだと思います。その感覚自体が、古い順番から来ていたわけです。
②お金以外に、目減りするものがあった
これは考えたことがありませんでした。
老後の話といえば、私にとっては貯蓄の話でした。積立の設定をして、それで備えているつもりでいた。
ところが本書が扱っているのは、目に見えない持ち物の話でもあります。健康、人とのつながり、学び直す力。どれも通帳に載りません。載らないから、私は数えていませんでした。運転時間が長く、会う人が減っている自分は、たぶんここが薄い。
③長く働くなら、途中で休む前提でよかった
いちばん気が楽になったのがこれです。
私はどこかで、「一度立ち止まったら終わり」だと思っていました。だから前々職を辞めるときも、間を空けずに転職しています。
でも働く期間が長くなるなら、まっすぐ走り続けるほうが無理がある。途中で学び直したり、働き方を変えたりする時期があって当然だという見方は、正直ほっとしました。焦って決めなくていいのだと思えたからです。
私はこの本で、20年後を具体的に考えるようになりました。将来が漠然と不安な方は、ぜひ手に取ってみてください。
LIFE SHIFT(ライフ・シフト) 100年時代の人生戦略 [ リンダ・グラットン ] 価格:1980円 |
読む前と読んだ後で、私はこう変わった
自分の中で起きた変化を、正直にまとめます。
| 読む前の私 | 読んだ後の私 | |
|---|---|---|
| 20年後 | 考えたことがなかった | 数字と言葉で書き出した |
| 老後の備え | 貯蓄だけを見ていた | 健康・つながり・学びも数える |
| 学び直し | もう終わったことだと思っていた | いま始めるものだと捉え直した |
| 立ち止まること | 一度止まったら終わりだと思っていた | 長く働くなら前提だと理解した |
私が実際に変えたこと
①20年後の自分を、A4に1枚書き出した
まずこれをやりました。50代半ばの自分について、仕事・体・人間関係・お金の4つを書くだけです。
書いてみて、書けたのはお金の欄だけでした。他は空白。それが答えでした。私は備えているつもりで、備える対象を一つしか見ていなかったのです。空白を埋める作業が、そのまま次の行動になりました。
②営業以外に使える技術を、ひとつだけ勉強し始めた
学び直しといっても、資格を取る余裕はありません。そこで運転中のAudibleの半分を、仕事に直接使う分野に振り替えました。
具体的には、数字の読み方の本を続けて聴いています。以前は苦手だからと避けて同僚に任せていた分野です。すぐ成果は出ませんが、「もう学ぶ時期ではない」と思っていた自分が動いたこと自体が変化でした。
③健康を「資産」として記録するようにした
筋トレは10年続けていますが、記録はつけていませんでした。続けること自体が目的だったからです。
いまは扱う重さと体重を月1回だけ書いています。目に見えない持ち物を、見えるようにしておくという意味です。前々職では会員さんに毎回やっていたことを、自分にはやっていませんでした。
まとめ〜こんな人に読んでほしい〜
『LIFE SHIFT』は、こんな方におすすめです。
- 定年まで同じ会社にいる前提で、なんとなく生きている人
- 老後の備えといえば貯蓄しか思いつかない人
- 学び直したいが、もう遅いと感じている人
- 20年後の自分を具体的に想像できない30代
分厚い本ですし、正直、全部が自分に当てはまるわけではありません。海外の事例も多いです。それでも、自分が乗っている前提を一度降りて眺めるには十分でした。
いまも20年後がはっきり見えているわけではありません。それでも、空白があると分かっただけで、埋めようという気になりました。将来が漠然と不安な方は、まず1枚書いてみませんか。
本は「聴く」こともできます。 机に向かう時間が取れないときほど、移動時間のほうが確実です。
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