【書評】『人は話し方が9割』〜人前が苦手な30代営業マンが、話し方より聞き方を変えるまで〜
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九州でルート営業をしている30代です。前々職はスポーツジムのトレーナー、筋トレ歴10年。運転中のAudibleで月2〜3冊。これは要約ではなく、読んで何を変えたかの記録です。
はじめに〜この本を手に取ったきっかけ〜
営業という仕事をしていながら、人前で話すのが苦手です。
朝礼で当てられると声が硬くなりますし、複数の相手と同時に話す場面は今でも緊張します。口下手な人間が営業をしているという後ろめたさが、ずっとどこかにありました。
だから話し方の本は、これまでにも何冊か手に取っています。うまい言い回しや切り返しを覚えれば変われる気がしていました。実際には、覚えた言い回しを使おうとして余計にぎこちなくなり、そのたびに落ち込んで終わっていました。
この本も、正直あまり期待していませんでした。タイトルからして、話し方のテクニック集だろうと思っていたのです。その予想が外れたことが、私にとっては収穫でした。
本の紹介
本の基本情報です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 人は話し方が9割 |
| 著者 | 永松茂久 |
| 出版社 | すばる舎 |
| ジャンル | 自己啓発・コミュニケーション |
会話の苦手意識を、技術ではない角度から扱っていく一冊です。どんな考え方が示されるのかは、ぜひ本書で確かめてみてください。この記事では内容の解説ではなく、読んだ私の商談がどう変わったかをお話しします。
私がこの本から受け取った3つのこと
①うまく話そうとするほど、相手が消えていた
読んでいて、自分の商談を思い出して顔が熱くなりました。
私はずっと、次に何を言うかを考えながら人の話を聞いていました。相手が話している間、頭の中では自分の返事を組み立てている。だから相手が本当は何に困っているのか、ほとんど拾えていなかったのです。
うまく話そうとする気持ちは、結局のところ自分に向いています。話し方に悩んでいたつもりで、実は自分のことしか見ていなかった。気づくのに10年近くかかりました。
②口下手は、思っていたほど不利ではなかった
これは救われた部分です。
私は話が下手なせいで選ばれないと思い込んでいました。でも振り返ってみると、長く付き合ってくださる取引先の担当者は、私が流暢だから選んだわけではないはずです。むしろ「この人はこちらの話を最後まで聞く」と思われていたから残っていたのだと、いまは思います。
前々職のジムでも、いちばん人気があったのは話の上手いトレーナーではありませんでした。相手の目標を覚えていて、次の回でそこに触れる人でした。技術より、覚えていることのほうが効く。
③苦手意識そのものが、態度に出ていた
これがいちばん耳の痛い指摘でした。
話すのが苦手だと思っている人間は、話す前から縮こまります。声が小さくなり、目線が下がり、間が空く。相手からすれば「自信がなさそうな人」に見えるわけで、内容以前の問題です。
つまり私は、話が下手だから伝わらなかったのではなく、下手だと思い込んでいる態度が伝わっていた。順番が逆でした。
私はこの本で、商談の前の緊張がずいぶん軽くなりました。人前が苦手な方は、ぜひ手に取ってみてください。
価格:1650円 |
読む前と読んだ後で、私はこう変わった
自分の中で起きた変化を、正直にまとめます。
| 読む前の私 | 読んだ後の私 | |
|---|---|---|
| 商談の準備 | 何を話すかばかり考えていた | 何を聞くかを2つ決めてから行く |
| 相手が話している間 | 次の返事を組み立てていた | 相手の言葉をそのまま受け取るようにした |
| 口下手の捉え方 | 営業として決定的に不利だと思っていた | 聞く側に回れる分、むしろ向いていると思えた |
| 商談前の気持ち | うまく話せるか不安だった | 何を聞こうかと考えるようになった |
私が実際に変えたこと
①訪問前に「聞くこと」を2つ決めるようにした
いちばん効いた変更です。以前は伝えたいことをメモしていましたが、いまは聞きたいことを2つだけ書いて車を降ります。
これだけで、商談の入り方がまるで変わりました。話し出しに困らなくなったからです。沈黙が怖かったのは、話す材料がなかったのではなく、聞く材料を用意していなかったからでした。
②相手の言葉を、そのまま一度返すようにした
「納期がきついんだよね」と言われたら、以前はすぐ解決策を出そうとしていました。いまは「納期がきついんですね」と一度返します。
小手先のようで気が引けたのですが、実際にやってみると相手が続きを話し出すことが増えました。解決策を急いで出していた頃は、そこで会話が終わっていたのだと思います。
③朝礼での発言を、短く1つだけと決めた
人前が苦手なことは変えられません。なので、変えたのは中身ではなく量です。
気の利いたことを言おうとするのをやめて、短く1つだけと決めました。長く話そうとするから詰まるのであって、一言なら言い切れます。以前より発言の回数は増えました。妻には「最近ちょっと明るくなった」と言われましたが、内容が変わったわけではなく、構えを下げただけです。
まとめ〜こんな人に読んでほしい〜
『人は話し方が9割』は、こんな方におすすめです。
- 話し方の本を読んでも、かえってぎこちなくなってしまう人
- 人前で話すのが苦手で、そのことに引け目を感じている人
- 商談や面談で、何を話すかばかり考えてしまう人
- 口下手なまま営業や接客の仕事をしている30代
タイトルは「話し方」ですが、私が受け取ったのは聞き方の話でした。だから、話すのが苦手な人ほど得るものが多いと思います。
私はいまも口下手ですし、朝礼は相変わらず苦手です。それでも、商談の前に憂うつになることは減りました。うまく話せない自分を変えようとして疲れている方がいたら、変えるところが違うのかもしれません。
本は「聴く」こともできます。 机に向かう時間が取れないときほど、移動時間のほうが確実です。
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