【書評】『自分の時間を取り戻そう』〜「忙しい」が口ぐせだった30代営業マンが、生産性の意味を取り違えていたと気づくまで〜
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九州でルート営業をしている30代です。前々職はスポーツジムのトレーナー、筋トレ歴10年。運転中のAudibleで月2〜3冊。これは要約ではなく、読んで何を変えたかの記録です。
はじめに〜この本を手に取ったきっかけ〜
「最近どうですか」と聞かれて、「いや、忙しくて」と答える。ここ数年、これが挨拶がわりになっていました。
ルート営業という仕事柄、1日の大半は社用車の中です。運転している時間だけで2〜4時間。そこに訪問と事務作業が乗るので、たしかに時間は足りません。ただ、正直に書くと、忙しいと言っている自分がどこか誇らしくもありました。頑張っている証拠のような気がしていたのです。
その気持ちが崩れたのは、ある日の帰り道でした。今日は何をしたかと振り返ろうとして、具体的なことが何ひとつ出てこなかったのです。走った距離と訪問件数は覚えている。でも、何が前に進んだのかが分からない。
時間が足りないのは仕事量のせいだと思っていました。この本を開いたのは、その前提を一度疑ってみたかったからです。
本の紹介
本の基本情報です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 自分の時間を取り戻そう ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方 |
| 著者 | ちきりん |
| 出版社 | ダイヤモンド社 |
| ジャンル | 生産性・働き方・時間管理 |
生産性という言葉を軸に、働き方そのものを問い直していく一冊です。どんな考え方が出てくるのかは、ぜひ本書で確かめてみてください。この記事では中身の解説ではなく、読んだ私が実際に何を変えたのかに絞ってお話しします。
私がこの本から受け取った3つのこと
①「忙しい」は状態ではなく、私が選んだ結果だった
いちばん効いたのがこれでした。私はずっと、忙しさを自分の外から降ってくるものだと思っていました。仕事が多いから忙しい。だから仕方がない、と。
でも読み進めるうちに、その言い訳が使えなくなりました。何を引き受け、何を後回しにし、どこにどれだけ時間を置くか。その多くは、実は自分で決めていたのです。決めていないつもりでいただけで、決めない、という決め方をしていた。
これは認めるのが少し痛い話でした。忙しさのせいにできなくなると、次に問われるのは自分の選び方だからです。
②生産性を「速く動くこと」だと思い込んでいた
もうひとつ、はっきり間違えていたことがあります。私は生産性を、同じ時間でどれだけ多くこなせるかという意味で捉えていました。だから訪問件数を増やし、移動を詰め、昼食を車内で済ませていました。
そのやり方で件数は増えました。ただ、数字はほとんど動きませんでした。訪問した事実だけが増えて、中身が薄くなっていたからです。
前々職でスポーツジムのトレーナーをしていた頃を思い出しました。回数をこなすことに夢中になって、フォームが崩れている人。あの人たちに私は「回数より1回の質です」と言っていたはずなのに、自分の仕事ではまったく同じことをやっていました。
③制約を決めないと、仕事はいくらでも膨らむ
これは読みながら、思い当たることが多すぎて苦しくなった部分です。
終わりの時間を決めずに始めた作業は、たいてい終わりません。夜に回した資料づくりが、なぜか毎回2時間かかる。急ぎのときは40分で終わるのに、です。使える時間があるだけ、仕事はそこに広がっていくのだと、自分の一日を見て納得しました。
私はこの本で、「忙しい」と口にする回数が減りました。時間が足りないと感じている方は、ぜひ手に取ってみてください。
自分の時間を取り戻そう ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方 [ ちきりん ] 価格:1650円 |
読む前と読んだ後で、私はこう変わった
自分の中で起きた変化を、正直にまとめます。
| 読む前の私 | 読んだ後の私 | |
|---|---|---|
| 「忙しい」の捉え方 | 外から降ってくるもの、仕方のないもの | 自分の選び方の結果だと受け止めた |
| 生産性の意味 | 同じ時間でたくさんこなすこと | 同じ成果を、より短い時間で出すこと |
| 一日の組み方 | 空いた時間に仕事を詰めていた | 先に終わりの時間を決めるようになった |
| 訪問の考え方 | 件数を増やすことが努力だと思っていた | どこに時間を置くかを選ぶようになった |
私が実際に変えたこと
①「今日は何時に終わる」を朝に決めた
いちばん簡単で、いちばん効きました。朝、車に乗る前に終業時刻を決めてしまう。それだけです。
驚いたのは、決めた日は本当にその時間に終わることでした。仕事量が減ったわけではありません。順番の付け方と、切り上げ方が変わっただけです。逆に言えば、これまでは切り上げる理由がなかったから終わらなかったのだと思います。
②訪問の組み方を、件数から中身に変えた
すべての取引先を同じ頻度で回るのをやめました。会うたびに話が前に進む先と、顔を出すだけになっている先が、正直あります。そこを見ないふりして均等に回っていました。
配分を変えてみると、訪問件数は減ったのに、月の数字は落ちませんでした。この結果は自分でも意外で、いかに「動いた量」で安心していたかを思い知らされました。
③運転中のAudibleに、目的を持たせた
これは細かい話ですが、自分にとっては大きな変更でした。これまでは何となく再生して、何となく聞き流していました。時間を有効に使っている気になっていたのです。
いまは、その日に考えたいテーマに合う本だけを再生し、それ以外の時間は静かにしています。頭を使う時間と、頭を休ませる時間を分けたということです。聴いた冊数は減りましたが、覚えている内容は明らかに増えました。
まとめ〜こんな人に読んでほしい〜
『自分の時間を取り戻そう』は、こんな方におすすめです。
- 「忙しい」が口ぐせになっている人
- 一日の終わりに、何をしたか思い出せないことがある人
- 量をこなすことで頑張った気になっている自覚のある人
- 時間術の本を読んでも、生活が変わらなかった人
読み終えて感じたのは、これは時間の使い方の本というより、何に時間を使わないかを決めるための本だということでした。だから読むだけでは何も起きません。実際に何かを削らないと、一日は変わらないのです。
私もまだ、うまく削れずに膨らむ日があります。それでも、忙しさを言い訳にしなくなっただけで、気持ちはずいぶん軽くなりました。時間に追われている感覚が続いている方こそ、一度立ち止まる材料にしてみませんか。
本は「聴く」こともできます。 机に向かう時間が取れないときほど、移動時間のほうが確実です。
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