【書評】『チーズはどこへ消えた?』〜同じルートを回り続ける30代営業マンが、動く怖さと向き合うまで〜
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九州でルート営業をしている30代です。前々職はスポーツジムのトレーナー、筋トレ歴10年。運転中のAudibleで月2〜3冊。これは要約ではなく、読んで何を変えたかの記録です。
はじめに〜この本を手に取ったきっかけ〜
薄い本です。90分もあれば読み終わります。だからこそ長らく後回しにしていました。読むのに時間のかからない本は、得るものも少ないだろうと思い込んでいたんです。
読む気になったのは、担当していた取引先が1軒、静かに離れていったときでした。派手なトラブルがあったわけではありません。訪問の回数も、話す内容も、5年前とほとんど同じ。その「同じ」がいつの間にか合わなくなっていたのだと、あとから気づきました。
ルート営業は、決まった順路を決まった周期で回ります。安定していて、悪くない仕事です。ただ、変わらないことが得意な仕事は、変わったことに気づくのも遅れます。自分の回り方がいつから止まっていたのか、それを考えるために薄い本を開きました。
本の紹介
本の基本情報です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | チーズはどこへ消えた? |
| 著者 | スペンサー・ジョンソン |
| 出版社 | 扶桑社 |
| ジャンル | 寓話・自己啓発 |
迷路とチーズをめぐる短い物語を通して、変化との向き合い方を描いた一冊です。登場するのはネズミ2匹と小人2人だけ。物語の筋そのものは本書で味わっていただくのがいちばんなので、ここでは私が自分に重ねてしまった部分だけを書きます。
私がこの本から受け取った3つのこと
①動かない理由を、私はいくつも用意していた
読みながら一番ひやりとしたのは、動かない登場人物の言い分が、自分の口ぐせとよく似ていたことです。いまはタイミングが悪い。もう少し様子を見てから。担当を変えると先方が戸惑う。
どれも嘘ではありません。ただ、正しい理由と、動かないための理由は見分けがつきにくいのだと思い知りました。自分の説明が丁寧であればあるほど疑ったほうがいい、という気持ちになりました。
②怖さは、動く前より動いたあとのほうが小さかった
前々職でトレーナーをしていたころ、種目を変えるのを怖がるお客様が多くいました。当時の私は「やってみれば大丈夫ですよ」と軽く言っていたと思います。
自分が同じ立場になって、あの怖さの正体が少し分かりました。怖いのは変化そのものではなく、変えたあとの自分を想像できないことです。想像できないうちは、どんな正論も届きません。
③早く気づくことと、うまくやることは別だった
私はこの本を「変化に強くなろう」という話として読み始めましたが、読み終えてみると受け取ったのは少し違うものでした。強くなるのではなく、気づくのを1日でも早くする。
うまくやる自信は今もありません。ただ、気づくのを早めることなら、明日からでも工夫できます。
私はこの本で、動かない理由を疑う癖がつきました。気になった方は、ぜひこちらから手に取ってみてください。
価格:1100円 |
読む前と読んだ後で、私はこう変わった
自分の中で起きた変化を、正直にまとめます。
| 読む前の私 | 読んだ後の私 | |
|---|---|---|
| 同じやり方 | 安定している証拠だと思っていた | 合わなくなっていないか確かめるようになった |
| 動かない理由 | もっともな判断だと考えていた | 用意した言い訳かどうかを疑うようになった |
| 変化への構え | 強くならなければと思っていた | 早く気づくほうに力を入れるようになった |
私が実際に変えたこと
①訪問のたびに「前回と違うこと」を1つ探すようにした
以前は、変わりがないかを確認して終わりでした。いまは、前回と違う点を必ず1つ見つけてからお店を出るようにしています。
棚の並び、置いているメーカー、レジ横の一等地。小さな違いでも、書き留めておくと3か月後に線でつながります。離れていった取引先も、いま思えば半年前から棚が変わっていました。
②訪問の順番を、四半期に一度だけ入れ替えることにした
毎回同じ順路だと、同じ時間帯にしか会えない人がいます。午前しか店にいない店長と、夕方にしか手が空かない担当者では、話せる内容が違いました。
全部を変えるのは無理なので、3か月に一度だけ、午前と午後を入れ替えています。これくらいなら怖くない、という範囲を先に決めたのが続いた理由だと思います。
③やめることを、先に1つ決めるようにした
新しく何かを試すときは、代わりにやめることを1つ決めてから始めるようにしました。時間は増えないので、足すだけだと必ずどこかが雑になります。
私の場合、まず減らしたのは移動中のニュースの聞き流しでした。
まとめ〜こんな人に読んでほしい〜
『チーズはどこへ消えた?』は、こんな方におすすめです。
- 同じやり方を何年も続けていて、それでいいのか迷っている人
- 変えたほうがいいと分かっているのに、動けずにいる人
- 読書に時間を取れず、短い本から再開したい人
- 分厚い自己啓発書に少し疲れている人
薄い本ですが、読み終えたあとに自分の口ぐせを点検したくなる一冊でした。90分で読めるので、動けずにいる時期の入り口としてぜひ読んでみてほしいです。
本は「聴く」こともできます。 机に向かう時間が取れないときほど、移動時間のほうが確実です。
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