【書評】『多動力』〜「石の上にも三年」に疲れた30代が、飽きっぽさを武器に変えるまで〜
はじめに〜この本を手に取ったきっかけ〜
正直に告白します。私は昔から、飽きっぽい人間です。
資格の勉強を始めては途中でやめ、趣味も長続きせず、仕事でも「ひとつのことを極めている同期」を見ては、密かに焦りを感じてきました。「石の上にも三年」という言葉が、ずっと胸のどこかに刺さったままだったのです。
30代になり、「このまま今の仕事一本でいいのだろうか」というモヤモヤが大きくなってきたタイミングで手に取ったのが、堀江貴文さんの『多動力』でした。
タイトルからして「多動=落ち着きがない」というネガティブな言葉を、あえて「力」と呼んでいる。その時点で、なんだか救われるような予感がしました。結論から言うと、この本は私の「飽きっぽさへの罪悪感」を消してくれた一冊になりました。
本の紹介
本の基本情報です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 多動力 |
| 著者 | 堀江 貴文 |
| 出版社 | 幻冬舎 |
| 出版年 | 2017年 |
| ジャンル | キャリア・仕事術 |
いくつもの事業を同時に手がける堀江さんが、「次々に興味が移っていく性質」をこれからの時代の強みとして語る一冊です。内容の詳細はぜひ本書で読んでいただくとして、この記事では私がこの本をどう受け取り、何を変えたかを中心にお話しします。
私がこの本から受け取った3つのこと
①「飽きっぽい」を初めて肯定できた
読み終えて一番大きかったのは、この感覚の変化です。
私はこれまで、興味が移るたびに「また続かなかった」と自分を責めてきました。でも振り返ってみると、途中でやめた資格の勉強も、かじっただけの趣味も、無駄になったものはひとつもなかったのです。営業の仕事でふとした雑談の引き出しになったり、このブログを始める土台になったり。
「続かなかった経験」は、「幅広く試した経験」と言い換えられる。本書を読みながら、自分の過去の見え方がガラッと変わりました。同じように「飽きっぽさ」に罪悪感を持っている方には、この視点の転換だけでも大きな価値があると思います。
②「完璧に準備してから」をやめたら、動けるようになった
私がこのブログを始めたときのことです。
実は半年ほど、「もっと本を読み溜めてから」「デザインを勉強してから」と、始めない理由を積み上げていました。でも本書を読んで、準備が整う日なんて永遠に来ないと腹落ちしてからは、「60点でいいから出す」に切り替えました。
結果、拙いなりに記事は積み上がり、少しずつ読んでくださる方も増えました。完璧な1本を温め続けるより、60点を10本出して直していくほうが、確実に前に進む——これは仕事の資料づくりでも同じでした。上司への提出物を「たたき台です」と早めに出すようにしたら、手戻りがむしろ減ったのは意外な発見でした。
③「自分の時間」を意識するようになった
本書を読んでから、自分の1日を「自分の時間」と「他人の時間」に分けて眺めるクセがつきました。
すぐ気づいたのは、想像以上に「他人の時間」を生きていたことです。目的のはっきりしない定例会議、反射的に返していたチャット、断りきれない飲み会。すべてをやめるのは無理でも、「これは誰の時間だろう?」と一度立ち止まるだけで、時間の使い方は変わり始めます。
私の場合、通知を切って作業に集中する時間帯を作っただけで、退社時間が30分早くなりました。その30分が、今この記事を書く時間になっています。
私はこの本で、働き方というより「自分の見方」が変わりました。気になった方は、ぜひ手に取ってみてください。
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読む前と読んだ後で、私はこう変わった
読書の効果は行動が変わってこそ。私自身の変化を正直にまとめてみます。
| 読む前の私 | 読んだ後の私 | |
|---|---|---|
| 飽きっぽさ | 欠点だと思って隠していた | 幅を広げた経験と捉え直した |
| 新しい挑戦 | 準備が整ってからと先送り | 60点で始めて、直しながら進む |
| 時間の使い方 | 頼まれごとに反射で応じる | 「誰の時間か」を一度考える |
私が実際に変えた3つのこと
読んだだけで終わらせないために、生活に落とし込んだことを紹介します。どれも小さなことですが、3ヶ月続いています。
①「やらないことリスト」を手帳の1ページ目に書いた
「即レスしない時間帯を作る」「目的の不明な会議は資料共有で代替できないか聞く」「気の乗らない誘いは正直に断る」。この3行を手帳に書いて、迷ったら見返しています。やることリストより、やらないことリストのほうが人生を変える——今はそう実感しています。
②気になっていたことを「60点」で始めた
私の場合はこのブログでした。デザインも文章もまだまだ発展途上ですが、始めたからこそ「書評を書く」「画像を作る」「データを見る」という新しい引き出しが増えました。あなたにも、半年寝かせている「やってみたいこと」はありませんか?
③今の仕事に掛け算できる分野の勉強を始めた
本業のスキルに何を掛け合わせるか考えて、私はデータ分析の入門書を1冊買いました。まだ入り口ですが、「本業×もうひとつ」の視点を持つだけで、日々の業務の見え方も変わってきます。
まとめ〜こんな人に読んでほしい〜
『多動力』は、次のような方にこそ響く一冊だと思います。
- 「飽きっぽい自分」に罪悪感を持っている30代の方
- ひとつの会社・仕事だけの将来に、漠然と不安がある方
- 完璧主義で最初の一歩が踏み出せない方
- 時間に追われて、自分のための時間が取れていない方
読む人を選ぶ本ではありますが、「続けることが正義」という価値観に疲れている人には、肩の力を抜いてくれる処方箋になるはずです。私のように「飽きっぽさは才能かもしれない」と思えたら、明日からの景色が少し変わりますよ。
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「見切り発車が怖い」と感じた方におすすめです。リスクを抑えながら挑戦するという考え方を知ると、多動への一歩がぐっと軽くなります。
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人生100年時代を見据えると、「ひとつの仕事だけ」のほうがむしろリスクだと気づかされます。長い目でキャリアを設計したい方は、合わせてどうぞ。
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