【書評】『ストーリーとしての競争戦略』〜「うちは何が強いのか」を答えられなかった30代営業マンが、順番で語れるようになるまで〜
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九州でルート営業をしている30代です。前々職はスポーツジムのトレーナー、筋トレ歴10年。運転中のAudibleで月2〜3冊。これは要約ではなく、読んで何を変えたかの記録です。
はじめに〜この本を手に取ったきっかけ〜
新しい担当者から「御社の強みは何ですか」と聞かれて、答えに詰まりました。
品質、対応の速さ、担当者との距離の近さ。並べることはできます。ただ、並べたあとの相手の表情がいつも薄いのです。どこの会社も同じことを言うからでしょう。実際、私も他社の営業から同じ言葉を聞いています。
強みが無いわけではないと思っていました。ただ、それを説明する形を持っていなかった。厚さ5センチ近い本ですが、目次に「面白いストーリー」という言葉があったので、堅い戦略論ではないかもしれないと思って開きました。
本の紹介
本の基本情報です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件 |
| 著者 | 楠木建 |
| 出版社 | 東洋経済新報社 |
| ジャンル | 経営戦略 |
競争戦略を、個別の要素ではなく流れとして捉える視点を示した一冊です。500ページ近い厚さですが、事例が具体的で読み進められます。理論の中身は本書に譲り、ここでは強みを語れなかった営業が何を変えたかを書きます。
私がこの本から受け取った3つのこと
①強みを箇条書きにした時点で、負けていた
私が並べていた品質・対応・距離感は、それぞれ独立した点でした。点は真似されます。だから相手の表情が薄かったのだと思います。
大事なのは点そのものではなく、点と点がどうつながっているか。この視点は、いま振り返っても自分の説明を根本から変えました。
②一見よくないことが、つながりの中では効いてくる
これが読んでいていちばん面白い部分でした。単体で見ると不利に見える要素が、全体の流れの中では欠かせない役割を果たしている。
自分の仕事にも当てはまりました。うちは納期が他社より1日遅い。ずっと弱点だと思っていましたが、その1日は在庫を確認して確実な数字を出すために使っています。遅さと確実さは、切り離せない一組でした。
③厚い本を読み切れたのは、話が具体的だったから
正直なところ、500ページの戦略書を最後まで読む自信はありませんでした。読み切れたのは、抽象的な枠組みより先に具体的な話が来るからです。
自分が記事を書くときにも同じことを考えるようになりました。理屈から入ると、読む人は途中で降ります。
私はこの本で、自社の説明のしかたが変わりました。気になった方は、ぜひこちらから手に取ってみてください。
ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件 [ 楠木建 ] 価格:3300円 |
読む前と読んだ後で、私はこう変わった
自分の中で起きた変化を書き出します。
| 読む前の私 | 読んだ後の私 | |
|---|---|---|
| 強みの伝え方 | 箇条書きで並べていた | つながる順番で語る |
| 弱点の扱い | 隠すか、謝るかしていた | 強みと一組で説明する |
| 同業との違い | 言葉で差をつけようとしていた | 組み合わせで違いを出す |
私が実際に変えたこと
①自社の説明を、箇条書きから順番のある話に変えた
「品質がいいです、対応が早いです」をやめました。いまは、なぜそうなっているのかを順番で話します。
在庫を確認してから返事をする。だから納期が1日遅い。その代わり、言った数字は必ず入る。だから急ぎの案件ほど当てにしてもらえる。この順番で話すようになってから、相手の相槌が変わりました。
②納期の1日を、先に自分から説明するようになった
以前は聞かれるまで触れませんでした。いまは、こちらから先に言います。
隠していたころは、あとで指摘されて言い訳する形になっていました。先に出すと、同じ事実が説明の一部になります。伝える順番を変えただけで、受け取られ方がここまで違うとは思いませんでした。
③取引先の強みも、順番で聞くようにした
商談で、その店が何を大事にしているかを流れで聞くようにしました。品揃えの理由、置かない商品の理由。
理由を聞くと、提案できるものが変わります。これは思っていなかった副産物でした。
まとめ〜こんな人に読んでほしい〜
『ストーリーとしての競争戦略』は、こんな方におすすめです。
- 「御社の強みは」と聞かれて、箇条書きしか出てこない人
- 自社の弱点を、隠すか謝るかで処理している人
- 戦略の本は自分の仕事に関係ないと思っている営業職の人
- 厚い本を敬遠しているが、具体例が多ければ読める人
500ページは確かに重いです。ただ、読み終えたあとに商談での話し方が変わった本は、私にとってこれが初めてでした。強みを聞かれて詰まった経験がある方は、投げ出さずに最初の100ページを試してみてください。
本は「聴く」こともできます。 机に向かう時間が取れないときほど、移動時間のほうが確実です。
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