【書評】『あり金は全部使え』〜残高が増えることだけが安心だった30代営業マンが、反発しながら1つだけ受け取るまで〜
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九州でルート営業をしている30代です。前々職はスポーツジムのトレーナー、筋トレ歴10年。運転中のAudibleで月2〜3冊。これは要約ではなく、読んで何を変えたかの記録です。
はじめに〜この本を手に取ったきっかけ〜
正直に書きます。この本のタイトルは、私にとって挑発でした。
私は貯めるタイプです。積立を設定して、家計を見て、残高が増えているのを確認する。それが安心の源でした。既婚で子どもはいませんが、いつ何があるか分からないので、備えは厚いほうがいいと思っています。
そこへ「あり金は全部使え」です。無理だと思いました。読む前から反発していたと思います。
それでも開いたのは、前に『DIE WITH ZERO』を読んで、貯めた先を決めていない自分に気づいたからでした。同じ問いを、もっと強い言い方でぶつけてくる本を一度見ておこう。そういう気持ちでした。
本の紹介
本の基本情報です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | あり金は全部使え(マガジンハウス新書) |
| 著者 | 堀江 貴文 |
| 出版社 | マガジンハウス |
| ジャンル | お金・働き方・エッセイ |
貯めることを正面から否定していく一冊です。どんな主張が並ぶのかは、ぜひ本書で確かめてみてください。この記事では内容の解説ではなく、反発しながら読んだ私が何を受け取ったかをお話しします。
私がこの本から受け取った3つのこと
①最後まで賛成できなかった。それでいいと思う
先に正直なところを書きます。
私はこの本の主張に、全面的には賛成できませんでした。 家庭がありますし、営業という仕事は景気に左右されます。手元を空にするのは、私の生活では現実的ではない。
ただ、読み終えて気づいたのは、反発しているあいだ、私はずっと自分の前提を検算していたということでした。「なぜ賛成できないのか」を考え続けたぶん、自分がお金に何を求めているのかがはっきりした。同意しないことにも、ちゃんと効き目がありました。
②貯金が「目的」になっていたことは、認めるしかなかった
ここは反論できませんでした。
私は残高が増えることそのものに安心していました。何のためかと聞かれても答えられない。それは備えではなく、ただの習慣です。
前々職を思い出しました。ジムで、体重計に毎日乗るのが目的になっている人がいました。数字が減ると安心して、増えると落ち込む。でも体は変わっていない。測ることが目的化すると、中身が伴わなくなる。私の家計簿は、あの体重計と同じでした。
③時間はお金で買い戻せない、という一点だけは刺さった
いちばん残ったのがこれです。
お金は減っても稼ぎ直せます。でも、使わずに過ごした30代は戻ってきません。私は運転中に本を聴きながら、この一点だけは反論のしようがないと思いました。
私はいま30代の半ばです。10年後、残高は増えているでしょう。でも体力は落ちています。今の体でしかできないことに使わなかったお金は、守ったのではなく、機会ごと捨てたことになるのかもしれません。
私はこの本で、貯金の目的を書き出すようになりました。貯めることが習慣になっている方は、ぜひ手に取ってみてください。
価格:1210円 |
読む前と読んだ後で、私はこう変わった
自分の中で起きた変化を、正直にまとめます。
| 読む前の私 | 読んだ後の私 | |
|---|---|---|
| 貯金 | 増えること自体が安心だった | 何のための分かを書き出した |
| 反対意見の本 | 読む前に避けていた | 反発しながら読むと前提が見える |
| お金と時間 | どちらも同じように貯められると思っていた | 時間だけは買い戻せないと理解した |
| 使う判断 | 金額だけで決めていた | 今しかできないかを先に見る |
私が実際に変えたこと
①貯金を目的別に3つに分けた
まずこれをやりました。ひとつの口座にまとめていたのを、生活の備え・数年内に使う分・将来の分に分けただけです。
金額は変えていません。それでも、「数年内に使う分」に名前がついた瞬間、使うことへの抵抗が減りました。以前は全部が「減らしてはいけないお金」だったので、何に使っても罪悪感がありました。仕分けただけで気持ちが変わったのは意外でした。
②今年やることに、期限をつけた
「いつか行きたい」を「今年の秋に行く」に書き換えました。妻と話して、日付まで決めています。
期限のない予定は、私の場合ずっと動きません。日付を入れると、そこから逆算して金額が決まる。金額が決まると、貯めるか使うかで悩まなくなりました。
③本の主張に反対したまま、1つだけ採用した
これは読み方の話です。全部を受け入れる必要はない、と割り切りました。
私が採用したのは「時間は買い戻せない」の一点だけです。残りは自分の生活に合わないので採らない。そう決めてから、賛成できない本を読むのが苦でなくなりました。以前は、同意できない本は最後まで読まずに閉じていました。
まとめ〜こんな人に読んでほしい〜
『あり金は全部使え』は、こんな方におすすめです。
- 貯金が習慣になっていて、使うと落ち着かない人
- 自分と正反対の考えを、一度ぶつけてみたい人
- 節約は得意だが、何のためかは答えられない人
- 守りに入っている自覚がある30代
はっきり言って、万人向けではありません。 言い切りが強く、家庭を持っている人には現実的でない部分もあります。私も最後まで賛成できませんでした。
それでも、自分の前提を一度揺すってもらう価値はありました。同意するために読む本と、疑うために読む本がある。これは後者です。守りに入っている自覚がある方は、反発しながら読んでみませんか。
本は「聴く」こともできます。 机に向かう時間が取れないときほど、移動時間のほうが確実です。
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