【書評】『シン・ニホン』〜担当エリアの店が毎年減っていく30代営業マンが、その先を考えるまで〜
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九州でルート営業をしている30代です。前々職はスポーツジムのトレーナー、筋トレ歴10年。運転中のAudibleで月2〜3冊。これは要約ではなく、読んで何を変えたかの記録です。
はじめに〜この本を手に取ったきっかけ〜
担当している取引先が、毎年少しずつ減っています。
潰れるというより、静かに閉まります。店主が高齢になって、継ぐ人がいない。そういう終わり方です。私の担当エリアでは、この5年でいくつもの店がそうなりました。
数字が減るのは会社にとっての問題ですが、私が引っかかっているのはそこではありません。通っていた店がなくなり、その地域に別の店ができるわけでもない。この先どうなるのだろうという、漠然とした落ち着かなさのほうです。
日本の未来を扱う本は、暗い話か、根拠の薄い明るい話かのどちらかだと思っていました。読んでみたのは、著者が数字を並べたうえで話を進めると聞いたからです。
本の紹介
本の基本情報です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成 |
| 著者 | 安宅和人 |
| 出版社 | ニューズピックス |
| ジャンル | 社会・未来論 |
データをもとに日本の現在地を示し、これから何に投じるべきかを論じた一冊です。400ページを超えますが、図表が多く読み進められます。議論の中身は本書に譲り、ここでは地方を回る営業が何を持ち帰ったかを書きます。
私がこの本から受け取った3つのこと
①漠然とした不安に、数字の輪郭がついた
私が抱えていたのは「なんとなく先細りしていく感じ」でした。感覚なので、人に話しても伝わりません。
本書はまず現状を数字で示します。読んだからといって不安が消えるわけではありませんが、形のないものに輪郭がつくと、扱い方が変わります。 恐れる対象が具体的になった、という感覚に近いです。
②「もう手遅れ」という話ではなかった
この手の本は、危機を並べて終わることが多いという印象がありました。本書は現状を厳しく書いたうえで、どこに投じるかという話へ進みます。
その姿勢が、読後に残るものを変えました。落ち込んで終わるのではなく、自分の持ち場で何ができるかを考える方向に向きます。
③地方にいることは、不利とは限らない
九州で働き続けることを、私はどこかで遅れとして受け取っていました。情報も仕事も都市に集まる、と。
この本を読んで、その前提を疑うようになりました。実際、私はこの半年で、通勤も転職もせずにブログを立ち上げ、自分用の営業アプリまで作っています。場所の制約は、思っているより小さくなっているのかもしれません。
私はこの本で、地方で働き続けることの捉え方が変わりました。気になった方は、ぜひこちらから手に取ってみてください。
シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成 [ 安宅和人 ] 価格:2640円 |
読む前と読んだ後で、私はこう変わった
自分の中で起きた変化を書き出します。
| 読む前の私 | 読んだ後の私 | |
|---|---|---|
| 先細りへの不安 | 形のないまま抱えていた | 数字で輪郭をつけて扱う |
| 地方で働くこと | どこかで遅れだと感じていた | 制約は小さくなったと考える |
| 未来の本 | 暗いか根拠が薄いかだと決めつけていた | 現状を示したうえで先へ進む本もある |
私が実際に変えたこと
①閉店を、数字と一緒に記録するようにした
これまでは「また1軒減った」で終わっていました。いまは、閉まった理由と時期をメモに残しています。
3年ぶんも溜まれば、自分の担当エリアで何が起きているかが自分の言葉で説明できます。会社に提出するためではなく、自分が納得するための記録です。
②残る店に、何が残っているのかを聞くようになった
減る話ばかり見ていたので、続いている店に理由を聞くようにしました。
品揃えを絞った店、地域の配達を続けている店、店主が代わって形を変えた店。理由はどれも違いました。 一括りに語れないと分かっただけでも、見方が変わりました。
③学び直しに使う額を、先に決めておくことにした
「余ったら使う」をやめて、先に枠を決めました。決めないと、結局いちばん後回しになるからです。
自分用のアプリを動かしている費用は、契約しているプランと利用料を合わせて月5,000円ほどです。本代はここに含めず、別に見ています。思っていたより安いというのが、実際に計算してみた感想でした。
高い買い物をしたわけではありません。それでも、この半年で作れたものはあります。
まとめ〜こんな人に読んでほしい〜
『シン・ニホン』は、こんな方におすすめです。
- 担当エリアや地元が、静かに縮んでいくのを見ている人
- 先細りへの不安を、言葉にできないまま抱えている人
- 未来を扱う本を「暗いだけ」と敬遠してきた人
- 地方にいることを、どこかで不利だと感じている人
400ページを超えるので、通読するつもりで開くと重い本です。私は図表の多い章から拾い読みして、あとから前に戻りました。
不安が消える本ではありません。ただ、扱えるかたちに変えてくれる本ではありました。私と同じように地方で働き続けている方には、どこかで刺さる章があると思います。
本は「聴く」こともできます。 机に向かう時間が取れないときほど、移動時間のほうが確実です。
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