【書評】『LIFE3.0』〜AIで自分用のアプリを作った30代営業マンが、便利さの先を考えるまで〜
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九州でルート営業をしている30代です。前々職はスポーツジムのトレーナー、筋トレ歴10年。運転中のAudibleで月2〜3冊。これは要約ではなく、読んで何を変えたかの記録です。
はじめに〜この本を手に取ったきっかけ〜
私はプログラミングができません。それでも今年の6月、AIに頼んで自分用の営業アプリを作りました。訪問先を管理して、写真を撮ると記録が残る、という程度のものです。
作ってみて驚いたのは、動いたことよりも、自分が何を頼んだのか説明できないことでした。困っていることを言葉にしたら形になった。その間に何が起きたのかは分かっていません。
便利になった実感と、足元が見えない感覚が同時にありました。この居心地の悪さを言葉にしたくて、AIそのものを扱った本を探しました。物理学者が書いた本と聞いて身構えましたが、読み始めると数式は出てきません。
本の紹介
本の基本情報です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | LIFE3.0 人工知能時代に人間であるということ |
| 著者 | マックス・テグマーク |
| 出版社 | 紀伊國屋書店 |
| ジャンル | 科学・思想 |
物理学者である著者が、人工知能と人間の関係を長い時間軸で考えた一冊です。技術の解説書ではなく、これから何を選ぶかを問う本になっています。議論の中身は本書に譲り、ここでは非エンジニアの営業が何を考え直したかを書きます。
私がこの本から受け取った3つのこと
①便利さの評価と、方向の議論は別だった
私はAIを「役に立つかどうか」だけで見ていました。訪問記録が楽になった、資料づくりが速くなった。評価軸はそれだけです。
この本が扱っているのは、その手前にある問いでした。何を目指して使うのか。便利かどうかの判断と、どちらへ進むかの判断は別なのだと気づかされました。
②自分が使っている道具の来歴を、私は知らなかった
自作アプリの中身を、私は説明できません。動いているから使っている、という状態です。
これは車と同じで、仕組みを知らなくても運転はできます。ただ、判断を任せる範囲が広がるほど、知らないままでいることの意味は変わってきます。ここは読みながら、少し背筋が伸びました。
③遠い未来の話が、いまの選択の話になっていた
正直に言うと、序盤は「自分に関係のある話だろうか」と思いながら読んでいました。数十年、数百年先の話が続くからです。
読み進めるうちに印象が変わりました。遠い先を考えることは、いま何を選ぶかを決めることでもある。ルート営業の私にとっても、無関係ではありませんでした。
私はこの本で、AIとの付き合い方に一段の考えが加わりました。気になった方は、ぜひこちらから手に取ってみてください。
LIFE3.0 人工知能時代に人間であるということ [ マックス・テグマーク ] 価格:2970円 |
読む前と読んだ後で、私はこう変わった
自分の中で起きた変化を書き出します。
| 読む前の私 | 読んだ後の私 | |
|---|---|---|
| AIの評価 | 便利かどうかだけで見ていた | 何のために使うかを先に置く |
| 自作アプリ | 動けば十分だと思っていた | 中身を説明できる範囲を広げたい |
| 未来の話 | 自分と関係ないものとして飛ばしていた | いまの選択の話として読む |
私が実際に変えたこと
①アプリに任せない部分を、意図的に残した
訪問記録は自動化しました。ただ、その日に感じたことを一行書く欄は、手で埋めるようにしています。
自動化すると楽になりますが、楽になった分だけ考える機会も減ります。どこを楽にして、どこを自分に残すかを決めるようになったのは、この本を読んでからです。
②AIに頼むときの言葉を、記録に残すようになった
以前は結果だけを見ていました。いまは、何をどう頼んだのかをメモに残します。
自分の頼み方の癖が見えてきました。曖昧に頼んだときほど、出てきたものも曖昧です。これは商談の依頼のしかたにもそのまま当てはまりました。
③運転中に聞く本の分野を、意識して散らすようにした
ビジネス書ばかり聞いていたのを改めて、科学や思想の本を月に1冊は挟むようにしました。すぐ役立つ話ばかり入れていると、考える幅が狭くなると感じたためです。
まとめ〜こんな人に読んでほしい〜
『LIFE3.0』は、こんな方におすすめです。
- AIを使ってはいるが、仕組みは分からないまま進んでいる人
- 便利さの評価だけで技術を見ている人
- 科学の本は難しそうだと敬遠している人
- 自動化を進めながら、どこか落ち着かなさを感じている人
答えを教えてくれる本ではありません。問いを増やす本です。読み終えたあとに結論が出るわけではないので、そこを期待すると肩透かしかもしれません。
それでも、自分でAIに何かを作らせた経験がある方には、一度読んでみてほしいと思っています。作ったあとに残る落ち着かなさの正体が、少し見えてきます。
本は「聴く」こともできます。 机に向かう時間が取れないときほど、移動時間のほうが確実です。
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