【書評】『生き方』〜「精神論は苦手」な30代営業マンが、判断の物差しを持つまで〜
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九州でルート営業をしている30代です。前々職はスポーツジムのトレーナー、筋トレ歴10年。運転中のAudibleで月2〜3冊。これは要約ではなく、読んで何を変えたかの記録です。
はじめに〜この本を手に取ったきっかけ〜
正直に白状すると、私はこの本を長いあいだ避けていました。京セラを創り、JALを立て直した経営者の人生論。表紙を見ただけで「成功した人が、成功したあとに語るきれいな話だろう」と決めつけていたんです。人前で話すのが苦手で、自己肯定感も高いほうではない私にとって、そういう本は読むほど自分が小さく見えるだけでした。
それでも手に取ったのは、仕事で判断に迷う場面が続いたからです。ルート営業をしていると、無理な納期を頼まれたり、その場しのぎの返事で乗り切れそうな瞬間が何度も来ます。断れば気まずい空気になる。引き受ければ社内に無理がかかる。どちらを選んでも後味が悪くて、車に戻ってからずっと引きずっていました。
自分の中に、判断の物差しがなかったんだと思います。そのときどきの空気で決めていたから、あとから何度も蒸し返してしまう。何かひとつ、基準になるものが欲しくて、いちばん避けていた本を開きました。
本の紹介
本の基本情報です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 生き方 人間として一番大切なこと |
| 著者 | 稲盛和夫 |
| 出版社 | サンマーク出版 |
| ジャンル | 人生哲学・自己啓発 |
京セラとKDDIを立ち上げた経営者が、自身の人生観と仕事観を語った一冊です。派手なノウハウの本ではなく、日々の働き方をどんな心構えで支えるか、という話が中心になっています。詳しい中身は、ぜひ本書で確かめてみてください。ここでは、精神論を敬遠していた私が読んで実際に何が変わったのかを書きます。
私がこの本から受け取った3つのこと
①「どちらが得か」の前に置く問いができた
私がずっと悩んでいたのは、判断そのものではなく判断の順番でした。得か損か、怒られるか怒られないか。そこから考え始めるから、決めたあとも落ち着かなかったのだと思います。
この本を読んで、その手前に置ける問いをひとつ持てました。人として素直に説明できる選択かどうか。たったそれだけですが、順番が変わると迷う時間が驚くほど短くなりました。
②地味な毎日を、そのまま肯定してもらえた
私の筋トレは週1〜2回を10年です。派手ではありませんし、途中で伸び悩んだ時期のほうが長い。それでも続けてきたことだけが、自分の中でかろうじて誇れるものでした。
本書には、そういう地味な積み重ねを軽く扱わない目線があります。前々職でトレーナーをしていたとき、続かないお客様を何人も見送りました。あのとき自分が伝えきれなかったのはこれだったのか、と10年越しに腑に落ちる感覚がありました。
③「うまくいかない時期」の受け止め方が変わった
ブログを始めたころ、アクセスがほとんどない状態が続きました。完璧を待たずに60点で始めたはずなのに、数字が動かないと「向いていないのでは」と考えてしまう。
いまは、動かない時期を失敗ではなく途中経過として見られるようになりました。これは考え方が前向きになったというより、評価するタイミングを自分で決められるようになったという感覚に近いです。
私はこの本で、迷ったときの判断の順番が変わりました。気になった方は、ぜひこちらから手に取ってみてください。
価格:2090円 |
読む前と読んだ後で、私はこう変わった
自分の中で起きた変化を、正直にまとめます。
| 読む前の私 | 読んだ後の私 | |
|---|---|---|
| 判断のしかた | その場の空気と損得で決めていた | 説明できる選択かを先に確かめるようになった |
| 地味な継続 | 誇っていいのか分からなかった | そこが土台だと考えられるようになった |
| 成果が出ない時期 | 向いていない証拠だと思っていた | 途中経過として置いておけるようになった |
私が実際に変えたこと
①その場で返事をせず、いったん持ち帰るようにした
無理のある依頼を受けたとき、以前は場の空気に押されて「なんとかします」と答えていました。いまは「持ち帰って、確実な返事をします」と言うようにしています。
言いにくい一言でしたが、実際に使ってみると相手の反応は思っていたより穏やかでした。むしろ、その場しのぎの返事をして後で崩れるほうが信用を落としていたのだと気づきました。
②運転前の3分を、振り返りに使うことにした
社用車での移動は1日2〜4時間あります。以前はエンジンをかけた瞬間からAudibleを流していましたが、いまは走り出す前の3分だけ何もかけません。
直前の商談で、自分の言い方に無理がなかったかを思い返すだけです。忘れる前に一度確かめておくと、同じ引っかかりを翌週まで持ち越すことが減りました。
③数字の目標の前に、態度の目標を1つ決めた
月の数字は自分だけでは動かせません。そこで、数字とは別に「今月はここを守る」という態度の目標を1つ決めるようにしました。
今月は、都合の悪い連絡ほど先に入れる、にしています。達成できたかを自分で判定できるので、数字が伸びない月でも足元が崩れにくくなりました。
まとめ〜こんな人に読んでほしい〜
『生き方』は、こんな方におすすめです。
- 仕事の判断に迷って、決めたあとも引きずってしまう人
- 成功者の人生論を「きれいごとだ」と敬遠してきた人
- 地味な継続しか取り柄がないと感じている人
- 成果が出ない時期の受け止め方に困っている人
避けていた本でしたが、読んでみると説教されている感じはありませんでした。私にとっては、判断に迷ったときへ戻ってくるための一冊になっています。同じように物差しを探している方に、ぜひ読んでみてほしいです。
本は「聴く」こともできます。 机に向かう時間が取れないときほど、移動時間のほうが確実です。
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