【書評】後輩ができて戸惑う30代が、相手を変えるのをやめて読み直した5冊
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九州でルート営業をしている30代です。前々職はスポーツジムのトレーナー、筋トレ歴10年。運転中のAudibleで月2〜3冊。
はじめに〜どう言えば動いてくれるか、を考えている方へ〜
後輩がついたとき、私が最初に考えたのは言い方でした。
きつく言えば萎縮する。優しく言えば伝わらない。どこかにちょうどいい言い方があるはずだと思って、その探し方で1年くらい過ごしました。うまくいきませんでした。
このブログには、その時期に読んだ本の書評が残っています。並べ直して、自分でも意外だったことがあります。
5冊ぶんの「私が実際に変えたこと」は、全部で15個ありました。数えてみたら、相手を動かす工夫が1つも入っていませんでした。
`期限を書いて渡す 自分の渡し方2回目の質問は紙で 自分の渡し方最初の一言を固定する 自分の言葉どこまで決められるか聞く 自分の確かめ方
`
15個とも、自分の手順を変えた話でした。 後輩に何かをさせる話は1つもなかった。
そう気づいてから、この5冊の選び方が決まりました。手をつけやすい順に並べています。
| 順 | 何を変える段階か | 冊数 |
|---|---|---|
| 1 | 渡し方(口で言うのをやめる) | 2冊 |
| 2 | 最初の一言(反射で出る言葉を決める) | 1冊 |
| 3 | 相手の見方(自分と同じ形だと思うのをやめる) | 2冊 |
3から入ると、たぶん失敗します。 見方を変えるのはいちばん時間がかかるので、そこから始めると「結局どうすればいいのか」で止まります。
まず、渡し方を変える2冊
言い方ではなく、渡し方です。同じ内容でも、口で言うか書いて渡すかで結果が変わります。
リーダーの仮面
期限を口で言うのをやめた本です。
「なるべく早めに」ではなく、日付と時刻を書いて渡すようにしました。
効いた理由は、たぶん私の性格です。言いにくいことを曖昧にする癖があって、曖昧にすると守られなくても指摘できません。書いてあれば、指摘するのは私ではなく期限のほう。人前で強く出るのが苦手な人間には、この形が合っていました。
HIGH OUTPUT MANAGEMENT
同じ質問が2回来たら、口では答えないと決めた本です。
2回目の時点で、答えを紙に書いて渡します。3回目からは紙を指すだけで済みます。
作るのに30分かかります。それでもその後の質問がほぼ消えました。1回言えば伝わるはず、という前提が間違っていただけでした。
次に、最初の一言を決める1冊
反射で出る言葉は、考えて変えられません。先に決めておくしかありません。
失敗の科学
後輩のミスに「誰が」から入るのをやめた本です。
報告を受けたとき、最初に出る言葉を「何が起きた?」に固定しました。それだけです。
報告が早くなりました。 相手が身構えなくなったのが分かります。
自分のミスの報告も変えました。以前は原因と対策をそろえてから報告していたのを、「これが起きました。原因はまだ分かりません」の段階で伝えます。最初は怖かったのですが、早く言ったほうが怒られませんでした。上司が困っていたのはミスそのものではなく、知るのが遅くて手を打てないことだったからです。
最後に、相手を自分と同じ形だと思うのをやめる2冊
ここがいちばん時間がかかります。自分の感覚が標準ではない、と認める話なので。
天才を殺す凡人
同じ内容を、順番だけ変えて伝えるようになった本です。
理屈から入りたい後輩には手順と根拠を、まず動きたい後輩には先に一件同行してもらう。
手間は増えました。それでも聞き返される回数が減ったので、結果としては早く終わっています。自分に効いた順番が相手にも効く、というのが思い込みでした。
ティール組織
どこまで決められるかを、先に聞くようになった本です。
取引先で「御社内での確認が必要な内容でしょうか」と早い段階で聞きます。先に分かっていれば、提案の出し方も持っていく資料も変わります。
面白かったのは、自分自身にも同じことをしていなかったと気づいたことでした。上司に確かめたら、思っていたより広い範囲を任されていました。聞かなかったせいで、確認しなくていいことまで持ち帰っていたわけです。
読む前と、5冊を並べ直したあと
| 並べ直す前 | 並べ直したあと | |
|---|---|---|
| 考えていたこと | どう言えば動いてくれるか | 自分の渡し方はどうなっているか |
| うまくいかない理由 | 言い方が下手だから | 口で言って終わりにしていたから |
| 伝わらないとき | もう一度ていねいに言う | 書いて渡す形に変える |
| 相手の見方 | 自分と同じ順番で分かるはず | 順番は人によって違う |
効かなかったこと
距離を縮めれば伝わる、という発想は、私には効きませんでした。
『リーダーの仮面』を読む前は、飲みに誘って関係を作ろうとしていました。やめてみて分かったのは、仕事の場での約束が守られるかどうかは、距離の近さと関係ないこと。むしろ近すぎると、私が指摘しづらくなります。
会議でその場で質問するのは、続いてはいます。ただ、いまでも心拍が上がります。楽にはなっていません。 効いたけれど、慣れはしないものもあります。
こんな方に読んでほしい
- 後輩がついたが、教わった通りに教えてもうまくいかない方
- きつく言うか優しく言うかで、毎回迷っている方
- ミスの報告が上がってくるのが遅いと感じている方
- 自分のやり方をそのまま渡して、伝わらなかった方
「こう言えば動く」という話は1冊も入れていません。 私にできたのが、そこではなかったからです。
本は「聴く」こともできます。 机に向かう時間が取れないときほど、移動時間のほうが確実です。
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