【書評】『メモの魔力』〜メモを取るだけで満足していた30代営業マンが、書く意味を考え直すまで〜
※この記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれます
九州でルート営業をしている30代です。前々職はスポーツジムのトレーナー、筋トレ歴10年。運転中のAudibleで月2〜3冊。これは要約ではなく、読んで何を変えたかの記録です。
はじめに〜この本を手に取ったきっかけ〜
私はメモをよく取るほうです。商談中も、研修中も、手帳に書き込んでいます。
ただ、見返したことがほとんどありません。書いた瞬間は頭に入った気がして、そこで満足して終わる。手帳は溜まっていくのに、自分の中に何か積み上がっている感覚はありませんでした。
きっかけは、ブログを始めたことでした。書評を書こうとして、いざパソコンの前に座ると何も出てこない。読んだはずの本について、自分がどう感じたのかを一行も書けなかったのです。
情報は入れていた。メモも取っていた。それなのに、自分の言葉がない。この本を開いたのは、その理由が知りたかったからです。
本の紹介
本の基本情報です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | メモの魔力 The Magic of Memo |
| 著者 | 前田裕二 |
| 出版社 | 幻冬舎 |
| ジャンル | 自己啓発・ノート術・思考法 |
メモという行為を、記録ではないところから捉え直していく一冊です。どんな方法が示されるのかは、ぜひ本書で確かめてみてください。この記事では内容の解説ではなく、読んだ私の書き方がどう変わったかをお話しします。
私がこの本から受け取った3つのこと
①私のメモは、記録で止まっていた
読んですぐに突きつけられたのがこれでした。
私が書いていたのは、起きたことの控えです。誰が何を言った、次はいつ来る、必要な資料はこれ。あとから確認するための情報でしかありませんでした。
だから見返さないのも当然でした。確認しなければ困ることは、そもそも忘れない。逆に言えば、忘れてもいいことばかり書いていたわけです。10年近く続けてきた習慣が、ほとんど何も生んでいなかったと知るのは、なかなかこたえました。
②事実を書いたあとに、一行足すかどうかで別物になる
この本を読んで実際に変えたのは、たった一つの動作でした。書いた事実の下に、「つまりどういうことか」を一行だけ足す。それだけです。
やってみると、これが想像以上にきつい。事実は書けるのに、その先が出てこないのです。裏を返せば、私はこれまで何も考えずに書いていたということでした。
前々職でトレーナーをしていた頃、記録用紙に重量と回数だけ書いて満足している人がいました。あの人たちに「なぜ上がらなかったのかを一行書きましょう」と言っていたはずなのに、自分は仕事でまったく同じことをしていました。
③言葉にできないものは、自分の中にないのと同じだった
いちばん残った気づきです。
ブログで手が止まったのは、感想がなかったからではありませんでした。感じてはいたけれど、言葉にする作業を一度もしていなかっただけです。頭の中にある「なんとなくよかった」は、書き出さないかぎり形になりません。
営業の仕事でも思い当たります。この取引先は雰囲気がいい、この案件はなんとなく厳しい。そういう感覚を言葉にしないまま持ち歩いていたので、人に説明できず、次に活かすこともできていませんでした。
私はこの本で、ブログの下書きで手が止まらなくなりました。書いても何も残らないと感じている方は、ぜひ手に取ってみてください。
メモの魔力 The Magic of Memo [ 前田裕二 ] 価格:1540円 |
読む前と読んだ後で、私はこう変わった
自分の中で起きた変化を、正直にまとめます。
| 読む前の私 | 読んだ後の私 | |
|---|---|---|
| メモの中身 | 起きた事実だけを書いていた | 事実の下に「つまり」を一行足す |
| 見返す頻度 | ほとんど見返さなかった | 週末に、足した一行だけを読み返す |
| 書く目的 | 忘れないため | 自分がどう考えたかを残すため |
| ブログの下書き | 何も出てこず手が止まった | メモの一行が、そのまま書き出しになる |
私が実際に変えたこと
①商談メモに「つまり」を一行足すようにした
いちばん効いた変更です。訪問のあと、車に戻ってから一行だけ書きます。
「納期の話を3回された」→つまり、価格より納期で判断されている。この一行があるだけで、次の訪問の準備がまるで変わりました。以前は前回のメモを見ても「そういえばそんな話をしたな」で終わっていたのです。
②週末に、その一行だけを読み返す時間を作った
全部を見返すのは無理だと分かったので、足した一行だけを読むことにしました。土曜の朝、コーヒーを淹れて15分ほどです。
面白いのは、一週間分を並べると同じ言葉が何度も出てくることでした。自分が何を気にしているのかが、自分でも見えていなかったのだと思います。
③本を読みながら、感想を先に書くようにした
読書のやり方も変えました。以前は最後まで読んでから感想を考えていましたが、いまは途中でも思ったことをその場で残します。
運転中のAudibleでは書けないので、信号待ちや訪問先の駐車場で、スマホに一行だけ入れておきます。ブログの下書きが止まらなくなったのは、この習慣のおかげです。書けなかったのは文章力の問題ではなく、材料を残していなかっただけでした。
まとめ〜こんな人に読んでほしい〜
『メモの魔力』は、こんな方におすすめです。
- メモは取るのに、見返したことがない人
- 情報を入れている割に、自分の言葉が出てこないと感じる人
- 感想やレビューを書こうとして、手が止まった経験のある人
- 何かを発信したいけれど、書くことがないと思っている30代
正直に言うと、本の中で紹介されている使い方をすべて実践できてはいません。私が取り入れたのは一行だけです。それでも、十分すぎるほど変わりました。
書いても残らないと感じている方は、書く量ではなく、書いたあとの一行を足してみませんか。私はそこだけで、手帳が資料から思考の記録に変わりました。
本は「聴く」こともできます。 机に向かう時間が取れないときほど、移動時間のほうが確実です。
関連記事へのリンク
【関連記事】『ゼロ秒思考』の書評はこちら同じ「書く」を扱いながら、目的が違う一冊です。本書が深掘りだとすれば、こちらは頭の中を出し切る作業。私は朝にこちら、夜に本書という使い分けに落ち着きました。
【関連記事】『イシューからはじめよ』の書評はこちら書き出したあと、どれに向き合うかを選ぶための本です。メモが増えるほど必要になる視点で、順番としては本書のあとに読むと効きます。
【関連記事】『考える技術・書く技術』の書評はこちら書いたものを人に伝わる形に組み立て直す一冊です。自分用のメモと、人に読ませる文章の違いを教わりました。
ご購入はこちら

