【書評】『父が娘に語る経済の話』〜経済ニュースを聞き流していた30代営業マンが、自分の言葉で説明できるようになるまで〜
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九州でルート営業をしている30代です。前々職はスポーツジムのトレーナー、筋トレ歴10年。運転中のAudibleで月2〜3冊。これは要約ではなく、読んで何を変えたかの記録です。
はじめに〜この本を手に取ったきっかけ〜
運転中はラジオかAudibleをかけています。ニュースで金利や物価の話が流れてくると、そのまま聞き流していました。言葉は知っているのに、それが自分の毎日とどうつながるのかが分からなかったからです。
きっかけは、取引先から立て続けに値上げの相談を受けたことでした。仕入れが上がったので卸値も上げたい、という話です。その場では事情を聞いて持ち帰るのですが、どうしてこの1年でこんなに続くのか、自分の言葉で説明できませんでした。
経済の入門書は何度か買って、途中で止まっています。図やグラフが出てくると、そこで気持ちが切れてしまう。この本は、著者が10代の娘に語る形で書かれていると知って、それなら最後まで行けるかもしれないと思いました。
本の紹介
本の基本情報です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。 |
| 著者 | ヤニス・バルファキス |
| 出版社 | ダイヤモンド社 |
| ジャンル | 経済・教養 |
ギリシャの元財務大臣が、娘に向けて経済のなりたちを語った一冊です。数式やグラフはほとんど出てきません。中身は本書で味わっていただくとして、ここでは経済ニュースを聞き流していた私に何が起きたかを書きます。
私がこの本から受け取った3つのこと
①専門用語を使わなくても、話は成立する
読み始めてすぐ驚いたのは、知らない言葉が出てこないことでした。私が今まで挫折してきた本は、最初の20ページで用語の説明が続いていたのだと気づきました。
これは自分の仕事にも跳ね返ってきました。私も商談で、社内の言葉をそのまま使っていた場面が思い当たります。分かってもらえないのは、相手の知識不足ではなく自分の言い換え不足かもしれない、と考えるようになりました。
②「値段」は誰かが決めていると実感できた
値段が上がるのを、天気のように受け止めていた自分がいました。読み終えて、その裏にはいつも人の判断があるのだと感じられるようになりました。
取引先の値上げ相談も、事情のある判断として聞けるようになりました。以前より腹が立たなくなったのは、思っていた以上に大きな変化です。
③格差の話を、遠い話にしなくなった
九州でルート営業をしていると、地域による差を日々目にします。同じ商品でも売れる店と売れない店があり、その理由は努力だけでは説明がつきません。
うまく言葉にできずにいたその感覚に、この本は輪郭をくれました。答えが出たわけではありませんが、考える枠組みができたのは収穫でした。
私はこの本で、経済ニュースの聞こえ方が変わりました。気になった方は、ぜひこちらから手に取ってみてください。
父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。 [ ヤニス・バルファキス ] 価格:1650円 |
読む前と読んだ後で、私はこう変わった
自分の中で起きた変化を、正直にまとめます。
| 読む前の私 | 読んだ後の私 | |
|---|---|---|
| 経済ニュース | 言葉だけ知っていて聞き流していた | 自分の担当先とつなげて聞くようになった |
| 専門用語 | 難しい話には必要だと思っていた | 言い換えられない言葉は、まだ理解していない印だと考える |
| 説明のしかた | 正確に言おうとして長くなっていた | 短くしても伝わる形を探すのが習慣に変わった |
私が実際に変えたこと
①ニュースで気になった言葉を、その日のうちに1つだけ調べる
運転中に引っかかった言葉を、1日1つだけメモして帰りに調べます。まとめて勉強しようとして続かなかったので、数を絞りました。
調べるときは、担当先のどこに影響するかまで書くようにしています。そこまで書かないと、翌週には忘れてしまうと分かったからです。
②商談で、社内の言葉を使わないようにした
品番や社内での呼び方を、そのまま口に出すのをやめました。相手が同じ意味で受け取っているか、確認する一言を挟むようにしています。
前々職でトレーナーをしていたころ、筋肉の名前で説明して伝わらなかった経験を思い出しました。あのときと同じことを、業界を変えてやっていたわけです。
③妻に、その日の仕事を専門用語なしで話してみる
これが一番効きました。本書が父から娘への説明という形をとっているのを真似て、週に一度、その日あった仕事の話を妻に説明してみることにしたのです。
妻は同じ業界にいません。だから、私がふだん寄りかかっている言葉が一切通じません。「掛け率」も「帳合」も、口に出した瞬間に止まります。
やってみると、自分が理解していない部分ほど専門用語で埋めていたことがはっきりしました。分かっていることは、言い換えられます。言い換えられないものは、まだ自分の中で言葉になっていないだけでした。
翌週の商談で説明が短くなったのは、この練習の副産物です。
まとめ〜こんな人に読んでほしい〜
『父が娘に語る経済の話』は、こんな方におすすめです。
- 経済ニュースを、言葉だけ知って聞き流している人
- 経済の入門書を途中で止めた経験がある人
- 仕事の話を、社外の人にうまく説明できないと感じている人
- 格差の話をうまく言葉にできずにいる人
グラフも数式もほとんど出てこないので、入門書で挫折した経験がある方ほど読み進められると思います。
もし手元にこの本があったら、読み終えたあとで一度試してみてください。その日の仕事を、家族に専門用語なしで話してみる。 自分がどこまで分かっていたのかが、驚くほどはっきりします。
本は「聴く」こともできます。 机に向かう時間が取れないときほど、移動時間のほうが確実です。
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