【書評】『金持ち父さん貧乏父さん』〜給料の額しか見ていなかった30代営業マンが、「持っているもの」を数え直すまで〜
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九州でルート営業をしている30代です。前々職はスポーツジムのトレーナー、筋トレ歴10年。運転中のAudibleで月2〜3冊。これは要約ではなく、読んで何を変えたかの記録です。
はじめに〜この本を手に取ったきっかけ〜
毎月25日、給与明細を見るときの私の視線は、いつも一箇所しか追っていませんでした。振込額の数字だけです。控除の欄も、その内訳も、目に入ってはいるけれど読んではいない。前月と比べて増えたか減ったか、それだけを確認して閉じる。それを何年も繰り返してきました。
ルート営業という仕事は、良くも悪くも金額が安定しています。急に困ることもない代わりに、大きく増えることもない。だからこそ「稼ぐ」以外の考え方を持つ必要がなかったし、持とうとも思いませんでした。働いて、給料をもらう。それ以外の選択肢を、私は一度も検討したことがなかったのです。
この本のタイトルは、それこそ十年以上前から知っていました。有名すぎて、逆に手が伸びなかった一冊です。今回あらためて読んでみて、私が受け取ったのはお金の増やし方ではなく、自分が何を持っているのかを数えたことがなかったという事実のほうでした。
本の紹介
本の基本情報です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 改訂版 金持ち父さん貧乏父さん アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 |
| 著者 | ロバート・キヨサキ |
| 出版社 | 筑摩書房 |
| ジャンル | 自己啓発・お金・投資 |
著者が二人の「父」から受けた、対照的なお金の教えを軸に進んでいく一冊です。具体的にどんな考え方が語られるのかは、ぜひ本書で確かめてみてください。この記事では内容の解説ではなく、読んだ私の側で何が変わったかに絞ってお話しします。
私がこの本から受け取った3つのこと
①私は「振込額」しか見ていなかった
読みながら、何度も自分の給与明細を思い出しました。額面と手取りの差がいくらで、そこから何がどれだけ引かれているのか。恥ずかしい話ですが、私はその内訳をきちんと読んだことが一度もありませんでした。
十年以上、毎月受け取ってきたものについて、私は結果の数字だけを見ていた。これはお金に限らず、自分の仕事や生活全般に言えることかもしれません。得意先の売上も、伸びた・落ちたという結果は追うのに、その中身を分解して考えるのは後回しにしていました。
「知らない」と「わからない」は違います。私の場合は単に見ていなかっただけでした。
②自分の時間が、どういう仕組みで収入に変わっているのか
もうひとつ効いたのが、収入の入り方そのものを意識するようになったことです。
私の収入は、社用車を走らせて得意先を回るという行為と、時間で結びついています。動かなければ生まれない。当たり前のことですが、意識したことはありませんでした。休んでも入ってくるお金があるという発想自体が、私の中には存在しなかったのです。
これは善し悪しの話ではなく、自分がどういう仕組みの上に立っているかを知っているかどうかの話だと思いました。知らないまま立っているのと、知った上で立っているのとでは、次に打てる手がまるで違ってきます。
③このブログが、私にとって最初の「持ち物」だった
読み終えてから気づいたことがあります。私は何も持っていないつもりでいましたが、ひとつだけ、時間をかけて育ててきたものがありました。この書評ブログです。
完璧を待っていたら一生始められないと思って、60点の状態で見切り発車したものです。収益と呼べるほどのものは正直まだありません。それでも、書いた記事は消えずに残り続けて、私が運転しているあいだも、眠っているあいだも、そこに置かれたままになっている。
自分では趣味のつもりでした。でもこの本を読んだあとでは、少し違って見えます。規模は小さくても、これは私が自分の手で作った持ち物なのだと。そう思えただけで、記事を一本書く意味が変わりました。
私はこの本で、自分が持っているものを数え直すようになりました。同じように「何も持っていない」と感じている方は、ぜひ手に取ってみてください。
改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 [ ロバート・キヨサキ ] 価格:1870円 |
読む前と読んだ後で、私はこう変わった
自分の中で起きた変化を、正直にまとめます。
| 読む前の私 | 読んだ後の私 | |
|---|---|---|
| 給与明細の見方 | 振込額の数字だけ確認して閉じていた | 内訳を読み、何がいくら引かれているか把握した |
| 収入への考え方 | 働いて給料をもらう以外の道を考えたことがなかった | 自分がどういう仕組みで稼いでいるかを意識するようになった |
| ブログの位置づけ | 趣味であり、読んだ記録を残す場所 | 小さくても自分の手で育てている持ち物 |
| お金の勉強 | 難しそうで、自分には縁がないと思っていた | 知らないだけだったと分かり、調べる癖がついた |
私が実際に変えたこと
①給与明細を、初めて最後まで読んだ
情けない話ですが、これが最初の一歩でした。控除の項目をひとつずつ調べて、何のために引かれているのかを確認しました。十年以上見てきたはずの紙に、知らない言葉がいくつもありました。
分かったからといって手取りが増えるわけではありません。それでも、自分の足元がどうなっているかを知らないまま将来を心配していたのだと気づけたのは、大きな収穫でした。
②固定費をひとつだけ見直した
一気に家計を作り替えようとすると挫折するのは、筋トレで身にしみています。最初から週5で通おうとした人は、たいてい二週間で来なくなる。だからここでも、手をつけるのはひとつだけと決めました。
選んだのは通信費です。長年なんとなく使い続けていた契約を見直しただけですが、毎月の固定費が確実に下がりました。月末に妻と家計を眺める時間に、久しぶりに前向きな話題が出ました。
③ブログを「資産として育てる」意識に切り替えた
いちばん大きかったのはこれかもしれません。これまでは読んだ本の感想を残すだけの場所でしたが、長く読まれるものを積み上げていく場所として考えるようになりました。
具体的には、古い記事を書き直す作業を始めました。書きっぱなしにせず、手を入れて残す。地味な作業ですが、筋トレと同じで、続けた人にだけ効いてくるものだと思っています。
まとめ〜こんな人に読んでほしい〜
『金持ち父さん貧乏父さん』は、こんな方におすすめです。
- 毎月の給料はそこそこ安定しているけれど、将来に漠然とした不安がある30代
- お金の勉強を「自分には縁のない話」と思って避けてきた人
- 投資や副業の前に、考え方の土台から整えたい人
- 何も持っていないと感じているけれど、実は育てているものがある人
有名すぎる一冊なので、いまさら読むのは気恥ずかしいという気持ちも正直ありました。でも読んでみると、書かれていることの多くは特別な才能を必要としない話でした。
大きく稼げるようになったわけではありません。それでも、自分の足元を数えるようになっただけで、将来の不安の輪郭が少しはっきりしました。ぼんやりした不安に押しつぶされそうな方こそ、まず数えるところから始めてみませんか。
本は「聴く」こともできます。 机に向かう時間が取れないときほど、移動時間のほうが確実です。
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