はじめに

「仕事で利益を追求するあまり、自分の理想を見失いそう…」
「社会貢献もしたいけど、まずは目の前の売上を立てないと…」
「結局、金儲けは『悪』なのだろうか?」

30代を迎え、仕事で責任ある立場を任されるようになると、利益と道徳のバランスについて、こんな悩みを抱えることはありませんか?

もしあなたが、日々の業務の中でこのような葛藤を感じているなら、ぜひ手に取ってほしい一冊があります。それが、2024年から新一万円札の顔となる渋沢栄一の不朽の名著『論語と算盤』です。

100年以上前に書かれた本書には、現代のビジネスパーソンが直面する悩みを解決するヒントが詰まっています。この記事では、本書の核心を3つのポイントと3つのアクションに凝縮して、あなたの明日からの仕事に活かせる形で分かりやすく解説します。

本の紹介

  • 著者: 渋沢栄一
  • 出版社: 角川ソフィア文庫、ちくま新書など(多数)
  • ジャンル: 経営哲学、ビジネス書

本の概要と魅力

『論語と算盤』は、「日本資本主義の父」と称される渋沢栄一が、生涯を通じて貫いた経営哲学を語った講演録です。

彼は、道徳を説いた孔子の『論語』と、利益追求を意味する『算盤』は、決して相反するものではなく、むしろ両立させるべきだと説きました。つまり、「道徳に基づいた経済活動こそが、社会と個人を豊かにする」という考え方です。

約500もの企業の設立に関わった彼の言葉は、机上の空論ではありません。そのすべてが、実体験に裏打ちされた、力強く、そして普遍的な説得力を持っています。大谷翔平選手の愛読書としても知られ、時代を超えて多くのリーダーたちに読み継がれている、まさに「ビジネスのバイブル」です。

3つの重要なポイント

では、本書が私たちに教えてくれる重要なポイントとは何でしょうか。ここでは3つに絞ってご紹介します。

1. 「論語(道徳)」と「算盤(利益)」は両輪である

渋沢は、利益だけを追い求める経済は、やがて社会を疲弊させ、破綻すると警告します。

富をなす根源は何かといえば、仁義道徳。正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができぬ。(本書より引用)

一方で、道徳や理想ばかりを追い求めて、利益を度外視していては事業は成り立ちません。社会を豊かにするためには、健全な利益追求活動が不可欠です。

大切なのは、この二つのバランスです。道徳というコンパスを持って、利益という船を動かす。この両輪が揃って初めて、事業は持続的に成長し、社会に貢献できるのです。

2. 富は「悪」ではない。問題は「稼ぎ方」と「使い方」にある

日本では古くから「清貧」が美徳とされ、お金儲けに対してどこか罪悪感を抱く風潮があります。しかし渋沢は、それを明確に否定します。

金儲けを品の悪いことのように考えるのは、根本的に間違っている。(本書より引用)

彼が問題視したのは、富そのものではなく、「いかにして稼ぎ、いかにして使うか」という点です。私利私欲のためでなく、社会全体の利益を考えて稼ぎ、得た富を社会に還元する。そうして循環させる富は、決して汚いものではなく、むしろ尊いものだと説いています。

3. 仕事は「知る」から「楽しむ」の境地へ

あなたは今の仕事を「楽しんで」いますか?渋沢は、孔子の言葉を引用し、仕事の境地には3つの段階があると言います。

これを知る者は、これを好む者に如かず。これを好む者は、これを楽しむ者に如かず。(本書より引用)

意味は「仕事について知っているだけの人は、仕事が好きな人にはかなわない。仕事が好きな人も、仕事を楽しんでいる人にはかなわない」ということです。

やらされ仕事ではなく、「この事業を通じて社会をこう良くしたい」という理想や志を持つこと。その熱意が、仕事を「好き」になり、やがて「楽しむ」境地へと昇華させてくれるのです。

明日から取り組める3つのアクション

本書の学びを、明日からの行動に変えるための具体的なアクションを3つ提案します。

1. 自分の仕事の「論語」は何かを考える

まずは、あなたの仕事における「論語(道徳や理念)」を言語化してみましょう。「誰のために、何のためにこの仕事をしているのか?」「この仕事を通じて、社会にどんな価値を提供したいのか?」

これを明確にすることで、日々の業務が単なる「算盤(利益追求)」の作業ではなく、より大きな目的につながる осмысленным ものに変わるはずです。チームでこの問いについて話し合ってみるのも良いでしょう。

2. 知識を「智恵」に昇華させる

渋沢は、単なる知識(ナレッジ)ではなく、道徳心と行動力が伴った「智恵(ウィズダム)」が重要だと説きます。

智恵という言葉には「十分な知識があり、道徳心もあり、それを基にした行動力が備わっている」という意味合いがあります。(本書より引用)

本を読んだり、セミナーに参加したりして得た知識を、「自分の仕事ならどう活かせるか?」「社会のためにどう使えるか?」という視点で考え、実際に行動に移してみましょう。その小さな実践の積み重ねが、生きた「智恵」を育みます。

3. 小さな社会貢献を意識する

「社会貢献」と聞くと、何か大きなことをしなければならないと思いがちですが、そんなことはありません。

  • 自分の部署だけでなく、他部署の人が働きやすくなるような手助けをする。
  • 顧客に対して、目先の利益だけでなく、長期的なメリットになる提案をする。
  • 地域社会の清掃活動に参加してみる。

渋沢の言う「公益」とは、このような身近なところから始まります。自分の利益(算盤)と、他者への貢献(論語)が重なる部分を見つけ、行動してみましょう。

まとめ

『論語と算盤』は、こんな人におすすめです。

  • 利益と理想の間で悩んでいる30代のビジネスパーソン
  • これからリーダーを目指す人、部下を持つ立場の人
  • 自分の仕事に誇りを持ち、心から楽しみたいと思っている人
  • 起業を考えている人、経営に携わっている人

本書は、100年後の今も色褪せない「働くことの本質」を教えてくれます。利益を上げながら、社会に貢献し、自分自身の人生も豊かにしていく。そんな理想の働き方を、渋沢栄一という偉大な先達から学んでみませんか。

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本書で説かれている「道徳と経済の両立」は、正しいデータに基づいて世界を見る『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』の考え方とも通じるものがあります。思い込みや感情ではなく、事実に基づいて判断し、より良い社会を目指す。合わせて読むことで、ビジネスの解像度がさらに上がるはずです。


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