【書評】『予想どおりに不合理』〜自分は冷静に判断していると思っていた30代営業マンが、判断のクセを知るまで〜
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九州でルート営業をしている30代です。前々職はスポーツジムのトレーナー、筋トレ歴10年。運転中のAudibleで月2〜3冊。これは要約ではなく、読んで何を変えたかの記録です。
はじめに〜この本を手に取ったきっかけ〜
営業をしていると、人の判断がおかしいと感じる場面があります。
明らかに条件のいい提案が通らず、前から使っている商品がそのまま残る。値段だけを見て決める先もあれば、値段を一切見ない先もある。理屈が通らないと、車の中でよく思っていました。
ただ、正直に言えば、自分の判断も似たようなものです。同じ金額でも、経費で落ちるときは気にせず、自腹だと急に渋る。冷静に判断しているつもりで、そうでもない。
その気持ち悪さに説明がつくなら知りたい。この本を手に取ったのは、そういう理由でした。
本の紹介
本の基本情報です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 |
| 著者 | ダン・アリエリー |
| 出版社 | 早川書房 |
| ジャンル | 行動経済学・心理学 |
人の判断が、どういうときに、どちらへ傾くのかを実験で見ていく一冊です。どんな実験が出てくるのかは、ぜひ本書で確かめてみてください。この記事では内容の解説ではなく、読んだ私の商談の見方がどう変わったかをお話しします。
私がこの本から受け取った3つのこと
①人は、単独では値段を判断できていなかった
いちばん腑に落ちたのがこれでした。
「この商品は高いか安いか」を、人は単独で決められません。必ず何かと比べて決めている。比べる相手が変われば、同じ値段でも印象が変わります。
思い当たる場面がありました。取引先に見積もりを2つ出したとき、私が推したかったほうが通りやすいのです。以前は「説明が良かった」と思っていましたが、たぶん違います。比べる相手を用意した時点で、判断の枠を私が決めていた。
②「無料」の前では、私も冷静でなくなる
これは自分の話として堪えました。
無料と聞くと、要らないものまで手が伸びます。私はサンプル品を持っていくとき、その効き目を「相手の得だから喜ばれる」と説明していました。
でも、自分がやられる側になると同じです。送料無料にするために、要らないものを足したことが何度もある。得をしたつもりで、余計に払っている。人のことは言えませんでした。
③予想できるなら、対策も打てる
これがいちばん救われた部分です。
判断が歪むと聞くと、暗い話に思えます。でも本書のタイトルどおり、歪み方は予想できる。予想できるなら、自分の側で先回りできます。
前々職でも同じでした。人は疲れているときに甘いものを選ぶ。だから帰りにコンビニへ寄らない導線を作る、という指導をしていました。性格を変えるのではなく、状況を変える。同じことが判断にも使えると分かりました。
私はこの本で、大きな判断を疲れているときにしなくなりました。自分は冷静だと思っている方は、ぜひ手に取ってみてください。
予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 [ ダン・アリエリー ] 価格:1540円 |
読む前と読んだ後で、私はこう変わった
自分の中で起きた変化を、正直にまとめます。
| 読む前の私 | 読んだ後の私 | |
|---|---|---|
| 自分の判断 | 冷静にやっているつもりだった | 傾く方向があると前提を変えた |
| 提案の出し方 | 1案だけ持っていくことが多かった | 比べられる形で持っていく |
| 「無料」 | 得だと思って飛びついていた | 一度立ち止まる |
| 決断のタイミング | 気にしていなかった | 疲れている時間帯は避ける |
私が実際に変えたこと
①提案は必ず2案以上で持っていく
これがいちばん効きました。1案だけだと、相手は「やるか、やらないか」で考えます。2案あると「どちらにするか」に変わる。
小細工に見えるかもしれませんが、押しが弱い私にとっては、これがいちばん現実的な手でした。強く勧める代わりに、選べる形にする。商談で沈黙する時間が減りました。
②大きな判断を、夕方にしないと決めた
自分の側の対策です。金額の大きい話や、条件を詰める話は、午前中に回すようにしました。
夕方の自分は、早く終わらせたくて安易なほうへ倒れます。これは前々職で会員さんに散々言ってきたことでした。疲れているときの判断は、意志ではなく状況の問題。自分にも同じ設計を入れました。
③自腹と経費で、判断が変わることを認めた
これは家計の話です。同じ1万円でも、経費だと気にせず、自腹だと渋っていました。
いまは、金額だけを見て決めるようにしています。出どころで態度が変わるのは、単に自分のクセです。認めてしまうと、扱いやすくなりました。
まとめ〜こんな人に読んでほしい〜
『予想どおりに不合理』は、こんな方におすすめです。
- 自分は冷静に判断していると思っている人
- 取引先や同僚の判断が理解できず、もやもやしている人
- 「無料」につい手が伸びる自覚がある人
- 疲れているときに安易な決断をしがちな30代
実験の話が多いので、そのまま仕事に使える形では書かれていません。自分の場面に置き換えながら読む必要があります。私は運転中のAudibleで聴きましたが、聴き流すと何も残らないタイプの本でした。
それでも、人の判断には型があると分かっただけで、商談の見え方が変わりました。相手が不合理に見えている方は、まず自分の側から確かめてみませんか。
本は「聴く」こともできます。 机に向かう時間が取れないときほど、移動時間のほうが確実です。
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